谷中七福神めぐりは、江戸時代から続く日本最古の七福神巡礼として知られています。上野・谷中・日暮里・田端に点在する7つの寺院をめぐりながら、七福神それぞれのご利益を授かることができる、歴史と風情に満ちた散策コースです。本記事では、谷中七福神めぐりの特徴や巡り方、各寺社の見どころを分かりやすくご紹介します!
Contents
七福神めぐりとは?

七福神めぐりとは、七福神(恵比寿・大黒天・毘沙門天・弁財天・布袋・福禄寿・寿老人)を祀る寺社を順番に巡拝することで、福運を授かる日本独自の信仰行事です。 室町時代ごろに始まったとされ、江戸時代には庶民の間で正月行事として広く定着しました。
七福神がそれぞれ「商売繁盛」「金運」「長寿」「学業」「家庭円満」など異なるご利益を司ることから、すべてを巡ることで「七つの福」を一度に授かるといわれています。 正月の初詣と合わせて七福神めぐりを行うことで、一年の幸福と無病息災を願う風習として今も多くの人々に親しまれています。
谷中七福神とは?
谷中七福神は、江戸時代中期以降に盛んになった七福神詣の中でも、最も古い歴史を持つ巡礼として知られています。およそ250年前に始まったとされ、「江戸最古の七福神めぐり」として現在まで受け継がれてきました。巡拝地は、東京都台東区・荒川区・北区に点在する7つの寺院で構成されているのが大きな特徴です。多くの七福神めぐりでは神社と寺院が混在しますが、谷中七福神はすべて寺院のみという、全国的にも珍しい形態を保っています。
下町情緒あふれる谷中の街並みや寺町の静かな雰囲気を楽しみながら、七福神を一体ずつ参拝できる点も人気の理由となっており、歴史ある寺院と江戸の面影が色濃く残る町並みを歩きながら福を授かる谷中七福神めぐりは、新年の初詣はもちろん、年間を通じて楽しめる散策型の七福神巡りとして、今も多くの人々に親しまれています。
■[歩行距離]約5.3㎞
■[最寄り駅]JR山手線「田端駅」、JR・東京メトロ各線「上野駅」
■[モデルコース]田端駅→東覚寺(福禄寿)→青雲寺(恵比寿神)→修性院(布袋尊)→天王寺(毘沙門天)→長安寺(寿老人)→護国院(大黒天)→不忍弁天堂(弁才天)→上野駅
谷中七福神の寺社7社

谷中七福神めぐりでは上記のような和紙でできた色紙を各社でいただくことができます!色紙を受け取って七福神めぐりをスタートしましょう!谷中七福神の寺社は以下の7社です!
- 【福禄寿】東覚寺
- 【恵比寿】青雲寺
- 【布袋尊】修性院
- 【毘沙門天】天王寺
- 【寿老人】長安寺
- 【大黒天】護国院
- 【弁財天】不忍弁天堂
【福禄寿】東覚寺

東覚寺は、白龍山・寿命院を号する真言宗豊山派の寺院で、室町時代中期の延徳3年(1491)に、真言宗御室派の僧・源雅和尚によって創建された古寺です。不動堂前に立つ一対の仁王像「赤紙仁王」が有名で、体の悪い部分と同じ場所に赤紙を貼って祈願すると病が治るとされ、現在も多くの参拝者に親しまれています。

東覚寺では福禄寿のスタンプをいただきます!
アクセス:JR山手線「田端駅」徒歩7分
御本尊:不動明王
ご利益:厄除け、健康長寿、商売繁盛など
【恵比寿】青雲寺

青雲寺は臨済宗妙心寺派の寺院です。創建年代は明らかではありませんが、江戸時代には「ひぐらしの里」と呼ばれた風光明媚な一帯に位置し、花見の名所として親しまれたことから「花見寺」とも呼ばれていました。かつて境内には観音堂をはじめ、多くの諸堂が建ち並んでいましたが、文化4年(1808)の火災で焼失し、その後再建されていません。
また、境内には『南総里見八犬伝』で知られる滝沢馬琴にゆかりの筆塚や硯塚の碑があり、江戸の文学文化を今に伝える場所としても知られています。

青雲寺では恵比寿神のスタンプをいただきます!
アクセス:JR各線、東京メトロ千代田線「西日暮里駅」徒歩4分
御本尊:釈迦如来
ご利益:商売繁盛、除災招福、五穀豊穣など
【布袋尊】修性院

修性院(しゅうしょういん)は、天正3年(1575)に感應寺第六世・修性院日運上人によって開創された日蓮宗の寺院です。元禄年間に現在の谷中の地へ移り、江戸時代には美しい庭園をもつ名刹として知られました。歌川広重が『名所江戸百景』にその境内を描き、俳人・菊岡沾涼も風景の美しさを称えたことから、通称「花見寺」と呼ばれ親しまれます。周辺は「日暮の里」と称され、桜の季節には多くの人々が集い、江戸の文化と風雅を今に伝える寺院です。

修性院では布袋尊のスタンプをいただきます!
アクセス:JR山手線「西日暮里駅」徒歩5分、東京メトロ千代田線「千駄木駅」徒歩8分
御本尊:三宝尊
ご利益:所願成就、笑門来福、夫婦円満、子宝など
【毘沙門天】天王寺

天王寺は、鎌倉時代に日蓮と深い縁をもって創建された、東京都台東区谷中を代表する歴史ある寺院です。創建の起源は、日蓮が鎌倉と安房を往復する際に当地に滞在し、その教えに帰依した関小次郎が草庵を結んだことに始まると伝えられています。江戸時代には徳川家光の外護を受けて将軍家の祈祷所となり、広大な寺領を有しました。
また、江戸三大富くじの一つとして知られる富突の興行地でもあり、目黒不動・湯島天神と並び多くの参詣者で賑わいました。宗派の変遷や幕府の政策に翻弄されながらも寺は存続し、現在は毘沙門天を本尊として、谷中の歴史と信仰を今に伝える名刹として親しまれています。

天王寺では毘沙門天のスタンプをいただきます!
アクセス:JR各線、京成電鉄「日暮里駅」徒歩約2分
御本尊:阿弥陀如来
ご利益:病気平癒、厄除け、金運、開運、勝運など
【寿老人】長安寺

長安寺は臨済宗の寺院で、寛文9年(1669年)に曹洞宗の僧・老山によって創建されました。当初は曹洞宗の寺院でしたが、第3世住職に臨済宗の僧・要関が入ったことを機に、臨済宗へと転宗しています。
本尊は千手観音菩薩で、大阪・総持寺に伝わる千手観音像を模して造られたものと伝えられます。観音信仰を中心に、延命長寿や諸病平癒、人々の安全と健康を願う祈りが捧げられてきました。谷中七福神の一柱である寿老人も安置されており、その像は徳川家康が納めたと伝えられる等身大の寄木造です。

長安寺では寿老人のスタンプをいただきます!
アクセス:JR各線「日暮里駅」徒歩6分
御本尊:千手観音
ご利益:延命長寿、諸病平癒、人々の安全と健康など
【大黒天】護国院

護国院は、東叡山寛永寺の子院のひとつで、江戸幕府の宗教政策と深く結びついた由緒ある寺院です。寛永2年(1625)、天海僧正が東叡山寛永寺を開いたのと同時に、その命を受けた生順によって最初の子院として創建されました。ここにお祀りされている大黒天は「護国院大黒天」と称され、若々しく凛々しい姿から力強いご利益があると信じられています。

護国院では大黒天のスタンプをいただきます!
アクセス:東京メトロ千代田線「根津駅」徒歩7分
御本尊:釈迦牟尼如来
ご利益:厄除け、商売繁盛、五穀豊穣など
【弁財天】不忍弁天堂

不忍池弁天堂は、上野公園内の不忍池中央に建つ弁才天信仰の霊場で、江戸初期の寛永年間に、天台宗東叡山寛永寺の開山・天海大僧正によって建立されました。蓮で覆われた不忍池の景観の中に、朱塗りの八角堂が浮かぶ姿は、上野を代表する風景として広く親しまれています。
弁天堂に祀られている弁才天は、芸能・学問・財福の神として信仰され、境内には七福神のおみくじも設けられています。また、正岡子規の『上野紀行』にもその情景が描写されるなど、文学とも深い関わりを持っています。

不忍弁天堂では弁財天のスタンプをいただきます!これで7箇所全てコンプリートです!
アクセス:JR各線「上野駅」徒歩5分
御祭神:辯才天
ご利益:金運上昇、芸能など
まとめ
谷中七福神めぐりは、すべて寺院で構成されている点や、約250年の歴史を誇る点など、他の七福神巡りにはない魅力が詰まった巡礼コースです。比較的歩きやすい距離で、下町散策と信仰を同時に楽しめるため、七福神めぐりが初めての方にもおすすめです。
歴史ある寺院を一つひとつ巡りながら七福神に手を合わせることで、新たな一年の幸福や無病息災、開運招福を願うことができるでしょう。東京・谷中の穏やかな空気に包まれながら、心豊かなひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。


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