日本神話における「賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)」は、神武天皇を導いた八咫烏の化身とされ、各地で厚く信仰されている神様です。賀茂氏や葛城国造の祖神としても知られ、日本の王権神話に深く関わる存在です。本記事ではその神格、神話での役割、別名、ご利益、そして祀られている神社までを解説します。
賀茂建角身命とは?
賀茂建角身命(鴨建角身命)は、日本神話に登場する神で、神武東征の際に八咫烏(やたがらす)として姿を現し、神武天皇を大和の地へ導いたとされています。『新撰姓氏録』によれば、神魂命(かみむすびのみこと)の孫にあたり、賀茂県主(かものあがたぬし)一族の始祖とされています。また『山城国風土記』逸文では、その天降りと移動の経路が詳細に語られており、山代の地で賀茂川沿いに定着したことが伝えられています。
日本神話におけるエピソード
神武東征を導く「八咫烏」
神武天皇が日向から東へと進軍した際、熊野から大和へ向かう険しい道中で苦戦していたところに現れたのが八咫烏です。この八咫烏こそが賀茂建角身命の化身であり、神武天皇を導く「導きの神」として登場します。この功績により、賀茂建角身命の子孫は京都・賀茂地方の統治者「賀茂県主」となったとされます。賀茂一族は後に上賀茂神社・下鴨神社の祭祀を担うようになります。
山代の地へ
賀茂建角身命は、神武東征を終えた後、大和の葛木山を経て山代国の岡田(現・京都府木津川市)に至ります。そこから賀茂川を上って、最終的には北山(現在の京都市北区)に鎮座したと伝えられています。この地が、後の賀茂神社(上賀茂・下鴨)の信仰の発祥地となりました。
別名
- 鴨建角身命(かもたけつのみのみこと)
- 八咫烏(やたがらす)
- 八咫烏鴨武角身命(やたがらすかもたけつのみのみこと)
御利益(ご利益)
賀茂建角身命には以下のようなご利益があるとされています。導きの神として、転職・進学・起業・人生の分岐点にある人にとって、心強い守り神とされています。
御利益
◆御利益・道を切り開く導き、勝運、国家鎮護、交通安全、旅の無事、学業成就など
賀茂建角身命を祀る神社

京都の下鴨神社や岡田鴨神社でお祀りされています。
- 賀茂御祖神社/下鴨神社(京都府京都市)
- 岡田鴨神社(京都府木津川市)
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