玉依姫(タマヨリヒメ)は、日本神話に登場する女神で、海神である綿津見神(ワタツミ)の娘として知られています。豊玉姫(トヨタマヒメ)の妹にあたり、後に鵜葺草葺不合命(ウガヤフキアエズノミコト)と結ばれ、初代天皇とされる神武天皇を生んだことで有名です。また、幼い鵜葺草葺不合命を育てたことから、母性や子育てを象徴する女神としても語られています。この記事では、玉依姫の神話や系譜、ご利益についてわかりやすく解説します。
Contents
ひと目でわかる玉依姫
玉依姫は、日本神話に登場する海神の娘であり、神武天皇の母として知られる女神です。豊玉姫の妹として神話に登場し、後に天皇家へと続く皇統神話の重要人物となりました。
- 綿津見神の娘
- 豊玉姫の妹
- 鵜葺草葺不合命を育てた女神
- 鵜葺草葺不合命の妻
- 神武天皇の母
- 安産や子育ての神として信仰される
玉依姫(タマヨリヒメ)とは?
海神・綿津見神の娘
玉依姫(タマヨリヒメ)は、日本神話に登場する女神で、海神として知られる綿津見神(ワタツミ)の娘です。 綿津見神は海を司る神として古くから信仰されており、山幸彦神話では海神の宮殿を治める王として登場します。豊玉姫や玉依姫はその娘にあたり、海神の血統を受け継ぐ神々として語られています。
「玉依」という名前には、「神霊が宿る玉に依る者」や「神の力を受ける者」といった意味があると考えられています。そのため玉依姫は、神と人をつなぐ神聖な存在として解釈されることもあります。 また、後に神武天皇の母となることから、海神の血統を天皇家へ受け継いだ重要な女神として位置付けられています。
豊玉姫の妹
玉依姫は、山幸彦の妻として知られる豊玉姫(トヨタマヒメ)の妹です。 姉の豊玉姫は海神の宮で山幸彦と出会い、やがて夫婦となりました。そして二人の間には鵜葺草葺不合命(ウガヤフキアエズノミコト)が誕生します。
豊玉姫は日本神話の中でも有名な女神ですが、その後の物語で重要な役割を担うのが妹の玉依姫です。 姉妹は共に綿津見神の娘として海神の血を受け継いでおり、豊玉姫が命を生み、玉依姫がその命を育てるという形で皇統神話に深く関わっています。 そのため玉依姫は、豊玉姫と並んで海神の系譜を支える重要な女神とされています。
豊玉姫との関係
鵜葺草葺不合命を養育
豊玉姫は鵜葺草葺不合命を出産した後、本来の姿を山幸彦に見られたことを恥じて海の国へ帰ってしまいました。 しかし、生まれたばかりの我が子をそのまま残していくことはできませんでした。そこで豊玉姫は妹の玉依姫を地上へ遣わし、幼い鵜葺草葺不合命の養育を託したと伝えられています。
玉依姫は母親代わりとして鵜葺草葺不合命を育て、その成長を見守りました。鵜葺草葺不合命は後に神武天皇の父となる重要な神であり、その成長を支えた玉依姫の存在は皇統神話において欠かせないものとなっています。
母性を象徴する女神
玉依姫は実の母ではありませんでしたが、鵜葺草葺不合命を育てたことから母性的な女神として知られています。 神話の中では華々しい活躍をする場面は少ないものの、家族を支え、子どもを守り育てる存在として描かれています。 その姿は、豊玉姫が命を生み出す存在であるのに対し、玉依姫が命を育む存在であることを象徴しているともいえるでしょう。
このことから現在では、子育てや安産、家族円満などのご利益を持つ女神として信仰されることがあります。 日本神話に登場する女神の中でも、優しさや慈愛を象徴する存在として親しまれています。
鵜葺草葺不合命との結婚
成長後に夫婦となる
成長した鵜葺草葺不合命は、後に玉依姫と結ばれます。 現代の価値観では不思議に感じられる関係ですが、日本神話では神々の血統を受け継ぐための婚姻として描かれています。
玉依姫は幼少期から鵜葺草葺不合命を育ててきた最も身近な存在でした。そして二人が夫婦となることで、海神の血統と天孫の血統はさらに強く結び付くことになります。この結婚は単なる夫婦の物語ではなく、日本神話の重要な転換点として位置付けられています。
皇統神話の重要な転換点
玉依姫と鵜葺草葺不合命の婚姻によって、天照大神から続く天孫の血統と、綿津見神から続く海神の血統が融合しました。 その結果として誕生したのが、後の神武天皇です。
日本神話では、神々の時代から人の時代へ移り変わる過程が描かれていますが、この結婚はまさにその節目となる出来事でした。 そのため玉依姫と鵜葺草葺不合命の結婚は、皇統神話の完成へ向けた重要な一歩として語り継がれています。
神武天皇の母
四柱の皇子を生む
玉依姫は、鵜葺草葺不合命との間に四柱の皇子を生んだと伝えられています。 その中でも特に有名なのが、末子として誕生した神日本磐余彦尊(カムヤマトイワレビコノミコト)、後の神武天皇です。 神武天皇は日本神話において初代天皇とされる存在であり、日向から東征を行って大和の地を平定し、日本の国づくりの礎を築いた人物として語られています。
つまり玉依姫は、単に神武天皇を生んだだけではなく、日本神話における天皇の祖先神として極めて重要な役割を担った女神なのです。 また、神武天皇の兄たちも東征に同行したと伝えられており、玉依姫は皇統の始まりとなる一族を生み育てた母神として現在まで語り継がれています。
天皇家へ続く系譜
玉依姫は、日本神話における皇統の系譜を語るうえで欠かせない存在です。天照大神の孫である瓊瓊杵尊が地上へ降り立った天孫降臨から始まり、その子孫である山幸彦、さらに豊玉姫との間に生まれた鵜葺草葺不合命へと血統は受け継がれていきます。 そして、その鵜葺草葺不合命と結ばれた玉依姫が神武天皇を生んだことで、神々の時代から天皇の時代へとつながる系譜が完成しました。
玉依姫は海神・綿津見神の娘であることから、海神の血統を皇統へ受け継いだ存在でもあります。そのため皇統神話では、天孫の血統と海神の血統を結び付ける重要な架け橋として位置付けられています。 神話の中で華々しい活躍を見せる場面は多くありませんが、神武天皇の母となったことで、日本神話全体の流れを支える重要な女神の一柱となりました。現在でも天皇家の祖先神の一人として広く知られています。
ご利益
神武天皇の母であることから、安産や子授けの神として信仰されています。出産を控えた人々や子宝を願う人々から崇敬を集めています。また、子育てや家族円満のご利益もあるとされています。
・安産、子授け、女性守護、美麗、家族円満など
別名
- 玉依毘売(タマヨリビメ)
- 玉依毘売命(タマヨリビメ)
玉依姫を祀る神社

玉依姫は霧島神宮や河合神社などでお祀りされています。
- 霧島神宮(鹿児島県霧島市霧島田口)
- 益救神社(鹿児島県熊毛郡屋久島町宮之浦)
- 宮崎神宮(宮崎県宮崎市神宮)
- 狹野神社(宮崎県西諸県郡高原町)
- 霧島岑神社(宮崎県小林市大字細野)
- 高千穂神社(宮崎県西臼杵郡高千穂町)
- 東霧島神社(宮崎県都城市高崎町)
- 箱崎八幡神社(長崎県壱岐市芦辺町)
- 天手長男神社(長崎県壱岐市郷ノ浦町)
- 天手長比賣神社(長崎県壱岐市郷ノ浦町)
- 津神社(長崎県壱岐市郷ノ浦町)
- 津之宮神社(長崎県壱岐市石田町)
- 住吉神社(長崎県対馬市美津島町)
- 乙和多都美神社(長崎県対馬市厳原町)
- 筥崎宮(福岡市東区)
- 竈門神社(福岡県太宰府市)
- 龍王神社(山口県下関市大字吉見下)
- 岩隈八幡宮(山口県岩国市周東町)
- 熊毛神社(山口県周南市大字呼坂字勝間)
- 加知彌神社(鳥取県鳥取市鹿野町)
- 阿須利神社(島根県出雲市大津町)
- 伊努神社(島根県出雲市西林木町)
- 惠曇神社(島根県松江市鹿島町)
- 宇奈爲神社(徳島県那賀郡那賀町)
- 大與比神社(兵庫県養父市三宅字大与比)
- 魚吹八幡神社(兵庫県姫路市網干区宮内)
- 加茂神社(大阪府阪南市箱作)
- 海神社 境内摂社(和歌山県紀の川市神領)
- 賀茂御祖神社 摂社 河合神社(京都府京都市左京区)
- 玉依神社(京都府亀岡市東別院町)
- 吉野水分神社(奈良県吉野郡吉野町)
- 知立神社(愛知県知立市西町)
- 玉依比賣命神社(長野県長野市松代町)
- 賀久留神社(静岡県浜松市中央区神ヶ谷町)
- 出水神社(石川県加賀市橋立町)
- 龍口明神社(神奈川県鎌倉市腰越)
- 玉崎神社(千葉県旭市飯岡)
- 玉前神社(千葉県長生郡一宮町)
- 磯部稲村神社(茨城県桜川市磯部字稲置)
- 敷玉早御玉神社(宮城県大崎市古川楡木字諏訪)
- 玉井宮東照宮(岡山県岡山市中区東山)


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