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大国主神(おおくにぬしのかみ)とは?
大国主神は、国土開拓や農耕、医療、商業など、あらゆる分野の神徳を持つ「国造りの神」です。その名は「大いなる国の主」を意味し、『古事記』『日本書紀』においては、葦原中国(あしはらのなかつくに=地上世界)を統治した神とされています。神名の由来には「大己貴神(おおなむちのかみ)」や「大物主神(おおものぬしのかみ)」などの異名があり、これらの神は地域や文献によって大国主神と同一視されることもあります。
日本神話におけるエピソード
少年時代と兄神たちの迫害
大国主神は、須佐之男命の子孫にあたる神で多くの兄弟神たちと共に登場します。兄神たちと一緒に稲羽の八上比売(やがみひめ)に求婚しに行く途中、因幡の白兎を助けたエピソードが特に有名です。この出来事によって八上比売は大国主神に心を寄せ、兄神たちは嫉妬して大国主神に数々の苦難を与えます。命を狙われた大国主神は母の助けを受けて蘇り、最終的に兄神たちを超えて英雄神としての地位を確立します。
須佐之男命の試練とスサノオの娘との結婚
その後、大国主神は黄泉の国に住む祖先神・須佐之男命のもとを訪れ、数々の命がけの試練を受けます。蛇の室、ムカデと蜂の室など、命がけの課題を乗り越え、須佐之男命の娘・須勢理毘売(すせりびめ)を娶ることを許されました。この冒険譚は、大国主神の知恵と勇気、そして愛の強さを象徴する神話とされています。
国造りと国譲り神話
地上の国を平定した大国主神は、様々な神々と協力して国造りを進めます。スクナビコナ神と共に薬草の知識や病気治癒、農業の技術を広めました。しかし、やがて高天原から天照大御神の使者が出雲国に来ると、大国主神は自らの国を譲るよう迫られます。最終的に大国主神はこの要請を受け入れ、「幽(かく)れたる神」となって出雲の地に退き、巨大な御殿(現在の出雲大社)を造ることを条件に国を譲りました。この「国譲り神話」は、日本の統治正当性を神話的に裏付ける非常に重要な物語です。
別名
- 大己貴命(おおなむちのみこと)
- 大物主神(おおものぬしのかみ)
- 八千矛神(やちほこのかみ)
- 葦原醜男(あしはらのしこお)
御利益(ご利益)
大国主神は非常に多彩なご利益をもつ神様です。特に「縁を結ぶ」力は、恋愛や結婚だけでなく、人間関係や仕事のご縁まで広く信仰されています。
・縁結び、恋愛成就、病気平癒、商売繁盛、開運招福、厄除け、国家安泰など
大国主神(おおくにぬしのかみ)を祀る神社

出雲大社をはじめ多くの神社でお祀りされています。
- 出雲大社(島根県出雲市)
- 神田明神(東京都千代田区)
- 氷川神社(埼玉県さいたま市)
- 大國魂神社(東京都府中市)
- 氷川神社(埼玉県さいたま市)
- 大國魂神社(東京都府中市)
- 大前神社(栃木県真岡市)
- 高瀬神社(富山県南砺市)
- 気多大社(石川県羽咋市)
- 気多本宮(石川県七尾市)
- 出雲大神宮(京都府亀岡市)
- 愛宕神社(京都府亀岡市)
- 一宮神社(京都府福知山市)
- 飛瀧神社(和歌山県那智勝浦町)
- 金刀比羅宮(香川県仲多度郡)
- 八桙神社(徳島県阿南市)
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